島流し

 よく時代劇などで出てくる台詞、「終生遠島を申し渡す。」が思い浮かべられる島流し。
現在なら何か会社で不始末をしでかして、田舎の支店に飛ばされるときなどに使われたりします。

 修行僧界で言われる島流しとは、旅客営業規則に違反した行為して太平洋上に捨てられるってことではなく、悪天候で帰れなくなり出先に取り残されることを指します。
 たとえば、八丈島の場合飛行機路線は1日4本と便利なので簡単に日帰りや1日に2往復という旅程も可能です。ただ、可能なのはあくまでもダイヤ通りに動いた場合です。
ちょっとした天候の変化で飛行機が飛べず取り残されると「島流し」となってしまいます。
 地方空港の場合着陸誘導装置が大規模空港ほど充実しておらず、ちょっとした悪天候で着陸不可、代替空港着とか引き返しになるケースは少なくありません。
ピストン修行で乗った飛行機とともに折り返すのでしたら、そのまま羽田なり福岡なりに戻れるので取り残されることはありません。問題になる例として、午前は天候が順調で、
普通に着陸でき機材も羽田へ戻った、午後便で帰ろうとしたら急に天候が悪化して着陸できず折り返し便に乗れなくなったというケースでしょう。
羽田伊丹線などで飛行機欠航しても、鉄道だとか高速バスといった代替手段があり翌日の出勤までにはなんとか会社にたどり着けるので問題はありません。伊豆大島あたりでも
飛行機欠航になったとしても高速船は運航可能で本州へ帰る手段はあります。
 これが八丈島だとか、沖縄先島あたりになると代替交通機関は船しかありません。大雑把に所要時間を計算すると飛行機の1時間は船で1日・在来線で8時間となります。
飛行機飛ばないときに、無理して時化のなか船に乗ったほうがよいのか、天候回復を待って翌日以降まで飛行機待った方が早く帰れるのかという決断も必要になることもあります。
 ちなみに八丈島空港の売店には、「島流し」という名前の焼酎が陳列してありました。

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